出産後に歯の痛みが出ることがあります
出産を終えたお母さんの身体は体力が落ちており、免疫力が低下していることもあります。
また夜中に何度も起きて授乳をしたり、おむつの交換もしなければいけませんので、当然のことながら寝不足にもなります。
また育児をしながら家事もしなければならず、心身に大きなストレスがかかってしまいます。
このような状態が長く続くと時に歯茎が腫れて出血を起こしたり、これまで痛みのなかった歯が痛みだすこともしばしばあります。
特に一部分だけ口腔内に顔を出しているような親知らずがある場合、清掃不良や免疫力低下によって一気に虫歯が進行することがあるからです。
生えきれない親知らずはそのまま置いていても噛むことに役に立つことがないばかりか、むしろ弊害となる方が多いでしょう。
そのため出産直後であっても抜歯することができる状態にあるならば、抜いてしまうことをおすすめします。
授乳中に抜歯をすることはできるのでしょうか
悪い影響を及ぼすだけの親知らずは、腫れが引いたら極力早い段階で抜歯する方がいいでしょう。
いったん腫れや痛みがおさまっても、またいつ何時同じような症状が出るとも限りません。
特に親知らずの場合、一度症状が出ると何度も繰り返すという特徴を持っているからです。
しかし出産直後のお母さんは母乳を与えていることも多く、抜いた後に出されるお薬を飲むのが嫌で抜歯を躊躇する人もいます。
しかし痛みが長く続けば、それだけ長い間ストレスを抱え続けていかなければなりません。
歯科医院では授乳中のお母さんが外科処置を行う場合、抜歯後の対応について歯科医師がきちんと説明をしてくれますので、受けた注意に従えば授乳中でも抜歯することが可能です。
粉ミルクなどの人工乳に切り替えることは可能か
通常抜歯後は感染を予防するための抗生物質と、痛みを抑える痛み止めが出されるます。
この抗生物質と痛み止めのお薬は母乳に移行しないのかというと、残念ながら移行するというのが結論です。
そのため母乳で赤ちゃんにお乳を与えているお母さんの場合、服用中は母乳を与えることを止めてもらう必要があります。
服用が終われば再び母乳を与えることができるようになりますが、それまでの間粉ミルクなどの人工乳に変えられるかどうかを、歯科医師が事前に必ず確認します。
そして人工乳に変えることが可能であると確認してから、外科処置を行う日程を決めることになります。