高齢化社会が抱える問題
今や100歳の人も珍しくなくなった超高齢化社会の日本において、80歳以上の2人に1人は認知症にかかっていると言われています。
その症状が強く出る人とあまり出ない人とで違いはありますが、認知症は高齢化社会が抱える大きな問題と言っても過言ではありません。
自分の歯で噛むことができる人は認知症になりにくいとのデータがあり、噛むことによって脳に刺激を与えられるからではないかと考えられています。
認知症が進むと話をしたり食事を摂る量が少なくなってしまいますので、歯の健康を守ることは認知症予防につながるとも言えるでしょう。
しかし長生きする人が増えている昨今、歯に関してもかかりつけ歯科医院を作ることが大切です。
これまでかかっていた歯科医院がある人なら今まで以上に頻繁に通院するようにし、かかりつけ歯科医院がない人は早急に作ることをおすすめします。
なぜかかりつけ歯科医院が必要なのか
認知症は知らないうちに発症して徐々に進行が進んでいくため、自覚症状が現れた時にはすでに認知症になっていることがあります。
一度罹患すると現在の医療では治すことができないため、進行していくスピードを遅らせるしか治療の方法がありません。
認知症が進行するとこれまでできていた身の回りのことが、次第に自分一人ではできなくなっていきます。
口腔内のケアもその中に含まれるもので、入れ歯のはめ外しが出来なくなったり、歯磨きも自力では難しくなります。
そのため口腔内が不潔になり、虫歯やカンジダ菌の発生につながることがあります。
しかし定期的に診察を受けているかかりつけ歯科医院があれば、認知症になっても治療を受け続けることが可能です。
1か月に1度は受診して虫歯のチェックをしてもらい、汚れを落とすことで歯の健康を維持することができます。
入れ歯を使える人と使えない人
認知症を発症する前に入れ歯を使っていた人は、認知症が進んでも入れ歯を使い続けることができますが、認知症になってから入れ歯を使わなければいけなくなった人は入れ歯を使うことができないと言われています。
なぜそうなるのか詳しい理由は解明されていませんが、今のところ認知症が進行してから入れ歯を作っても使えないということだけは確かです。
口腔内が不衛生になると一気に虫歯になってしまい、抜くことにもなりかねません。
抜いた後は入れ歯を使わないと食事ができないこともありますので、一定の年齢に達した時にはかかりつけ歯科医院を作っておくほうが安心です。